【獣医師監修】マグネット誤飲の危険性!愛犬の命を守るために知っておきたいこと

冷蔵庫のマグネットやおもちゃの小さなマグネットであなたの愛犬が遊んでいるうちに、誤って飲み込んでしまったら?危険な事態を引き起こすかもしれません。

1つのマグネットの誤飲はあまり問題になりません。しかし、2つ以上飲み込んでしまうとマグネット同士が引き合い、愛犬の健康をおびやかす可能性があります。

この記事では、犬のマグネット誤飲の危険性について詳しく解説します。誤飲の症状や対処法、重要な予防策について知っておきましょう。あなたの愛犬が元気で安全に過ごすため、ぜひ最後までお読みください。

目次

犬のマグネット誤飲の原因

 なぜ犬は異物を誤飲するのか?

犬が異物を誤飲する原因は、さまざまです。好奇心、空腹、退屈、ストレスなどが考えられます。とくに子犬は新しいものに対する興味から、誤飲が多いのです。子犬が新しいおもちゃを見つけると、何だろうと思わず口に入れてしまうのでしょう。

マグネットが危険な理由

マグネットは他のマグネットや金属片に、くっつく性質があります。2つのマグネットまたはマグネットと金属片を飲み込むと、消化管の壁で互いに引きつけ合い、血流が止まり壊死(えし)してしまうのです。場合により消化管に穴が開いたり、腸閉塞を引き起こしたりして開腹手術になる可能性もあるでしょう。

【参照元】「磁石」や「吸水樹脂 ボール」の誤飲に注意!:消費者庁

犬がマグネットを誤飲したときの症状

犬は食べ物以外のものでも飲み込んでしまいます。事前に、症状を理解するのがとても重要です。

マグネット誤飲の一般的な症状

犬がマグネットを誤飲した場合の、おもな症状です。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 元気がない
  • 食欲がない

とくに危険なケースとその症状

とくに危険なケースは、2つ以上のマグネットや一緒に金属を飲み込んだ場合です。以下のような症状が、あらわれます。

  • 激しい腹痛
  • ショック状態
  • 血便
  • 呼吸困難
  • 意識障害

腸が破れると便が漏れ出て腹膜炎を引き起こす可能性もあり危険な状態となるのです。

頻繁な嘔吐や下痢、徐々に悪化する腹痛は、危険な状況の警告サインの可能性があります​​。

犬がマグネットを誤飲したときの対処法

犬がマグネットを誤飲したかもしれないと思ったら、すぐに獣医師に連絡するのが重要です。

家では、落ち着いて犬の状態を注意深く観察してください。あなたの愛犬が小さなマグネットを1つだけ飲み込んだ場合、何の症状も示さないかもしれません。しかし、2つ以上や大きなマグネットを飲み込んだ場合、消化管に損傷を与える可能性があります。

獣医師に連絡するときは、以下の情報を正確に伝えてください。

  • いつ起こったか
  • どんなマグネットを飲み込んだか
  • 飲み込んだマグネットの数
  • 犬の症状
  • 体重

獣医師による診断と治療

動物病院ではレントゲン検査や超音波検査などを使い、マグネットなどの異物の有無や位置を確認します。異物が胃や腸にとどまっていたら、内視鏡や手術で取り出す必要があるのです。

一般的な治療とその期間

誤飲してから時間がたっていない場合は、催吐処置により吐かせて異物を取り除きます。

内視鏡検査では、口から内視鏡を入れて、胃や十二指腸にある異物を取り出します。全身麻酔をかけて行われますが、開腹手術よりも負担が少なく、回復も早いです。しかし、異物が腸に移動した場合や、胃壁や腸壁に突き刺さっている場合は使用できません。

開腹手術では、腹部を切開して胃や腸から異物を取り出します。内視鏡検査ができない場合や、胃壁や腸壁が傷ついている場合に行われます。全身麻酔をかけて行われますが、負担が大きく、回復に時間がかかってしまうのです。感染や出血などの合併症のリスクもあります。

内視鏡検査の場合は、通常1〜2日ほどの入院ですが、開腹手術では5〜7日ほどの入院が必要な場合が多いです。退院後は傷口のケアや、抗生物質などの投与を行う必要があり、食事は消化の良いものに制限される場合もあります。

実際の事例

何度も嘔吐する1歳のトイ・プードルがぬいぐるみの2個のマグネットを誤飲。胃や十二指腸、膵臓(すいぞう)の部分切除手術をしました。

【引用元】磁石の誤飲により胃・十二指腸穿孔をおこした犬の1例 (2007年、第16回、中部小動物臨床研究発表会)

誤飲による治療費の目安

治療費は病状の重症度、必要な治療(手術や投薬)などにより異なります。病院や地域によっても費用に差があります。休日や夜間の場合だと、倍近くかかるかもしれません。

以下は、誤飲した場合の費用の目安です。あくまで目安であり、動物病院により異なります。

治療法費用の目安
催吐処置3,000円~
レントゲン3,000~5,000円
   エコー(超音波検査)4,000円
全身麻酔6,000~10,000円
内視鏡1~5万円
開腹手術4万円~
入院費3,000~10,000円

【参照元】小動物診療料金の実態調査結果 :公益社団法人日本獣医師会(平成27年)

マグネットなどの誤飲予防法

犬の誤飲を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。

  • 犬が口にしてはいけないものを、置いたままにしない
  • 大きく壊れにくい犬用のおもちゃを選ぶ
  • 子供のおもちゃは犬に与えない
  • 犬が退屈しないように、遊びや散歩を十分にする
  • 犬のストレスを減らす

犬の誤飲は、飼い主の注意次第で防げます。犬の健康を守るために、マグネットの誤飲に注意しましょう。

犬が誤飲しやすい家庭用品

家庭内の誤飲しやすいものをいくつかあげます。

  • 食品(キシリトールガムやスパイスなど)
  • 薬(人間用の薬や犬用の過剰な薬)
  • 家庭用品(洗剤や電池など)
  • 小物(アクセサリーや衣類など)

まとめ

犬がマグネットを誤飲すると深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。マグネットが消化管を塞ぎ、内部で損傷を引き起こす可能性があるため、嘔吐や下痢などの症状があらわれます。

誤飲したかもしれない場合は、すぐに獣医師に相談し、診察を受けましょう。マグネットなどを犬の届かない場所に置けば、自宅での誤飲を防げます。愛犬の安全と健康を保つため、しっかり対策していきましょう。

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