愛犬が遊んでいたはずの子供のおもちゃが、見当たらなくなった経験はありませんか?愛犬が誤飲したかもしれないと、不安になってしまうでしょう。
この記事では、犬がなぜ子供のおもちゃを誤飲するのか、対処法や予防策について解説します。そして、適切な犬用のおもちゃの選び方も紹介します。知識を身につけていれば、もしものときに冷静に対処できるでしょう。
なぜ犬は子供のおもちゃを誤飲するのか?
以下のとおり、原因はさまざまです。
好奇心と狩りの本能
犬は好奇心が強く、新しく見慣れないものに興味を持つ傾向があります。
また、犬には生まれつきの狩りの本能があり、おもちゃを噛んだり振り回したりして本能を満たします。その結果、小さなおもちゃをうっかり飲み込んでしまうのです。
子供のおもちゃのサイズ
子供のおもちゃは、犬が簡単に飲み込めるサイズのものが多いです。たとえば、スーパーボールや噛むとつぶれる大きなボールなど。表面がツルツルしているため、思いがけずに飲み込んでしまうのです。
子供のおもちゃの小さな部品
ボタンや鈴など子供のおもちゃの小さな部品は、おもちゃが壊れたときに、誤飲の危険があります。また、犬はぬいぐるみの詰め物である中綿も飲み込んでしまいます。
子供のおもちゃを誤飲した場合の症状
子供のおもちゃのサイズによりますが、無症状で便とともに排出される場合もあるのです。大きなおもちゃの場合は食道に詰まり吐きたいけど吐けない、呼吸困難などの症状が出る場合があります。
おもちゃが胃の中に残っていたり腸閉塞を起こしたりすると、以下の症状が見られます。
- 嘔吐
- 下痢
- ゲップ
- 食欲不振
- 元気がない
- よだれが多い
【参照元】異物を誤飲したときの対処について <お家の中にあるもの編> <犬>:アニコム損保
子供のおもちゃを誤飲したときの対処法と治療法
もし愛犬が子供のおもちゃを誤飲したかもしれない場合、まずは飼い主さんが、冷静になることが大切です。パニックになると適切な判断ができなくなり、愛犬も不安になります。
対処法
すぐに獣医師に連絡し、以下を詳しく伝えてください。
- いつ
- 何を
- どれくらい飲み込んだか
- 現在の犬の状態
- 犬の体重
可能であれば、誤飲した実際のおもちゃや嘔吐物を動物病院に持参しましょう。
治療法
犬の症状や誤飲したおもちゃの種類により異なりますが、治療法は以下のとおりです。
- 画像診断
レントゲンや造影検査、超音波検査で誤飲したおもちゃが、体内にどの位置にあるかを確認します。小さなおもちゃであれば、自然排泄が可能なときもあります。
- 催吐処置
犬が子供のおもちゃを誤飲してから時間が経っていない場合、獣医師は吐かせる処置を行います。
- 内視鏡検査
催吐処置できない場合、内視鏡を用いておもちゃの取り出しが可能です。
- 開腹手術
おもちゃが大きすぎたり、消化管に詰まったりする場合、手術による除去が必要となる場合もあります。
子供のおもちゃを誤飲したときの注意点
とくに、とがったものやマグネットを含むおもちゃは、次のような危険性があり注意が必要です。
- 腸閉塞(へいそく)
- 腸穿孔(せんこう)
- 消化管壊死
- 消化管穿孔
マグネットは、腸管内でくっつき、腸管壁などに穴を開けてしまうのです。
他には、誤飲したと思っていても、実際には食べていない事例もよくあります。
誤飲していないのに、病院で処置してしまうと、不必要な負担を愛犬にかけてしまいます。たとえば誤飲したと思っていたものが、体の中にはなく、庭に落ちていたケースもあるのです。
病院へ行く前に本当に口に入れたのか、口にしたと思ったものが床に落ちていないかなど、今一度確認をしましょう。
犬が子供のおもちゃを誤飲しないための予防策
犬が子供のおもちゃを誤飲しないようにする予防策は、以下のとおりです。
- 犬が子供のおもちゃに届かないところに置く。
- 犬が噛んでも壊れないおもちゃを選ぶ。
- つねに犬の行動を観察する。
- 犬用のおもちゃを与える。
- 犬のストレスを減らす。
犬に適したおもちゃの選び方
犬に適した安全なおもちゃを選んで、誤飲のリスクを減らしましょう。
- 一緒に遊ぶおもちゃ
引っ張り合いができるロープやボールなどは、犬とのコミュニ―ケーションが取れて、絆を深める効果もあります。必ず一緒に遊んでください。
- 一人で遊ぶおもちゃ
一人で遊べるおもちゃは、犬が退屈しないようにするために役立ちます。しかし、犬が一人でおもちゃを噛んで遊ぶときは、誤飲の危険性があるため、安全なおもちゃを与えましょう。
- おやつを中に入れられるおもちゃ
おやつを中に入れられるおもちゃは、犬の食事やおやつを長時間楽しむために役立ちます。しかし、おもちゃが壊れてしまうと誤飲の危険性があるので、使用後は必ず点検しましょう。
たとえば『コング』は頑丈で、食べ物を詰められるため、犬が噛んでも壊れにくく、長時間楽しめます。留守番させるときや飼い主さんの手が離せないときに活用できますね!
- 硬すぎないもの
犬の歯は、欠けたり折れたりしやすいので、硬いおもちゃは避けましょう。
目安は、爪痕が1秒ほどで消える硬さです。とくに、牛のヒズメや鹿のツノは与えないようにしてください。
まとめ
子供のおもちゃなどの誤飲は、飼い主さんが注意すれば、ほぼ防げます。普段から安全に配慮し、愛犬が安心して生活できる環境にしていきましょう。
もしも誤飲が起こってしまったら、慌てずに獣医師に連絡し、指示にしたがってください。
愛犬といつまでも一緒に楽しく安全な暮らしを送るために、しっかり対策していきましょう!